半世紀の昔、ボクの名前が初めて活字になって新聞に載った日のことは、忘れられません。いい話ではないのです。
一生懸命お金を貯めて、やっと中学生のボクが買った最初の35ミリのカメラ(サモカ35)を、難波の映画館で、詐欺にあって盗られたのでした。
映画館の暗闇で、白い布でくるんだものを膝の上に置いて隣に座ったオジサンが、サモカ35を首にかけていたボクに「いいカメラ持ってるね、ワシもカメラ好きで、これドイツ製のライカ IIIf いうんやけど、知ってるやろ? これね、レンズのマウント部のネジが落ちてしまって、布でくるんでおかないとバラバラになるんや。ええカメラやで。重いやろ、持ってみぃ。あ、ちょっとトイレ行ってくるから、持っててくれるか? このカバンも重いけど、頼む。サモカ、持ったるわ。いっぺん国産のカメラのシャッター切りたかってん。廊下でスナップさせてな。すぐ帰るから。ライカは布開けたらレンズ落ちるから、外から触るだけにして、たのむで」と出て行ったのでした。うわー、さすがに重いなぁ、これがライカなんや。いつの日かこれを買うほどの金持ちになりたいもんや、などとニコニコしながら、映画を見続けていたのですが、いつまでたってもオジサンは帰ってきませんでした。
だまされたと気づいて、映画館のすぐ前の交番に駆け込み、布を開くと、カメラ風の木型の芯に金属を埋め込んだものでした。
その次第をボクは「サンケイカメラ」の投書欄にたしか匿名で書いたのでしたが、それを見た産経新聞の記者が田舎のボクの家に、社旗をボンネットにハタめかせた車で取材に来て、翌日の新聞に載せてくれたのでした。
さて、そのサモカ35です。
ネット・サーフィンをしていて、偶然にボクの前に現れたのです!
あなたは、島村英紀という人を知っていますか?
資料が不十分なままにブログなどで軽々に述べるのは差し控えなければならないほどシリアスな話があります。詳しくは下記の氏のサイトをじっくりとご覧ください。ボクも、今日、書店の開店を待って、氏の著作物を買い集めたいと思っています。
http://3.csx.jp/shima/
この中に「島村英紀が撮っていたカメラ」というセクションがあって、その筆頭に、なんとなんと SAMOCA 35 が詳しく紹介されているのです。下の写真は島村氏所蔵のものと思われるカットを、御許可を得て上のサイトからダウンロードさせていただきました。

サモカ35との再会、島村英紀氏を知ったこと、今朝はすごく充実した夜明けです。ネットって、ほんとうにいいですね☆彡